掌の夢


掌に
握る私を          
波に放とう

何も持たずに         
生まれた日
波のような
喜びに
泣いた力  
思い出せるよう

掌に
握る私を
風に放とう

何も持たずに
生まれた日
風のような
喜びに
笑った訳を
思い出せるよう

掌に
吹く風を見るなら
涙も乾く

掌に
溢れる波を抱くなら
涙も笑う






小さいヨハンナ記憶がない
ヨハンナのリンゴ
いつでも最初のリンゴ

小さいヨハンナ芝生の上で
姉さん剥いたリンゴを食べた
あんまり美味しい味なので
ヨハンナ芝生を転がって
ぐるぐるぐるぐる
目が回り
姉さんいなくなっていた

大きいヨハンナ記憶がない
ヨハンナのリンゴ
いつでも最初のリンゴ

100歳のヨハンナ芝生の上で
小さな子どもにリンゴを剥いた
あんまり赤い皮なので
ヨハンナ芝生を転がって
ぐるぐるぐるぐる
皮を剥き
まちじゅうみんなに
りんごをあげた

ヨハンナのリンゴ
いつでも最初のリンゴ
赤くて甘い最初のリンゴ
赤くて甘い最初のリンゴ
ヨハンナのリンゴ
ヨハンナのリンゴ